ロードバイクの主流ブレーキとなった油圧ディスクブレーキ。
制動力が高く、雨天でも安定して効くなど多くのメリットがありますが、その一方で初めて使う人が戸惑うトラブルもいくつか存在します。
例えば、
- ブレーキからシャーッという擦れ音がする
- ブレーキパッドが閉じてホイールが入らない
- ブレーキレバーを握ってもスカスカで効かない
といった症状です。
これらは実際に起こると「故障したのでは?」と不安になりがちですが、原因を知っていれば落ち着いて対処できるケースも多いトラブルでもあります。
この記事では、ロードバイクの油圧ディスクブレーキでよくある
①ローターの擦れ・異音
②パッドが閉じてホイールが入らない
③レバーがスカスカで効かない(エア噛み)
という3つのトラブルについて、原因と対処方法をわかりやすく解説していきます。

こんなのあるなら事前に言っといてよ!!
と後悔の元にならないように、トラブル対策をしっかり覚えて、安心安全なライドに出かけましょう!
油圧ディスクブレーキとは

油圧ディスクブレーキは、ブレーキレバーを握った力を「オイルの圧力」によって伝え、ホイール中央にある金属製の円盤(ローター)をパッドで挟み込むことで減速・停止する仕組みです。
レバーを握ると内部のピストンがオイルを押し出し、その圧力がホースを通ってキャリパー側へ伝わります。
するとキャリパー内のピストンが動き、ブレーキパッドがローターを両側から挟み込みます。

ワイヤーを引っ張るリムブレーキとは異なり、液体の圧力で力を伝えるのが最大の特徴です。
この構造によって得られる最大のメリットは、軽いタッチで大きな制動力を出せることです。
油圧は力を効率よく増幅できるため、強く握り込まなくても十分に止まれます。
長い下り坂でも手が疲れにくく、微妙なスピードコントロールもしやすいのが特徴です。
さらに、リムを挟まないため雨天時でも制動力が安定しやすく、カーボンホイールのブレーキ面を傷めるリスクがないという利点もあります。
安全性とコントロール性の向上が、現在主流となっている大きな理由です。
ただし一方でデメリットもあります。
リムブレーキモデルと比べると車体重量はやや増え、価格も高めです。
またブレーキパッドやローター、ブレーキオイルといった交換・管理が必要な部品が多く、購入後の維持コストもかかります。

それでも、総合的に見れば油圧ディスクブレーキは非常に完成度の高いブレーキシステムです。仕組みを理解しておけば、不安よりも安心感のほうが大きくなります。
よくあるトラブル①ブレーキの擦れ・異音
油圧ディスクブレーキに乗り換えて、最初に戸惑うのがこのブレーキの擦れや異音です。

「シャー…」とか「シュッ、、、シュッ」という擦れる音。

走ってていきなりこんな音がしたら気になりますよね。
ですがそれ実は案外簡単に解消できちゃうかもしれません。
というのもディスクブレーキは、構造上パッドとローターの隙間(クリアランス)が非常に狭いブレーキです。
<キャリパーとローターのクリアランスが分かる拡大写真>
そのため、
・ホイール脱着時のわずかなズレ
・クイックやスルーアクスルの締め込み位置の違い
・フレームのわずかな歪み
こんなわずかなことでも擦れ音が出ちゃいます。

ちなみに私は交差点で車の接触を避けようと
フルブレーキしたらブレーキキャリパーがずれて擦れ音が出ました。
とはいえちょっとしたことで異音が出ようとも、そのちょっとした原因を取り除けば解消できます。
ブレーキ回りの異音に気付いたら~原因別の対応~
というわけで異音が発生したら、早急にそれを解消したいところ。

そのためまずは異音の原因検索!
異音がする側のホイールを手で回してみましょう!
ここで分かる異音の原因は大きく2つ。
- ホイールとブレーキキャリパーの位置関係がおかしい。
- ブレーキローターの歪み。
前者が原因の場合、異音の発生頻度は高めですが、比較的簡単に解消可能、それこそサイクリング中でも対応可能な場合が多いです。
というのも位置がずれてるなら、その位置を正しい位置を戻してあげれば異音は解消できます。

スルーアクスルの締め直しやブレーキキャリパーの位置調整は、
六角レンチがあればサイクリング中でも十分に対応可能です。
ただしこの対応はなるべく早く行わないと、ブレーキパッドが偏って摩耗してしまい、新たな異音の原因となってしまうので、気付いたらなるべく早く対応しましょう。
一方で後者の場合というのは、落車など明らかにブレーキローターが歪むような原因がある場合です。
ブレーキローターの歪みの大きさによっては、矯正不能でそれ自体の交換が必要になるなど、サイクリング中の対応は難しくなります。

またブレーキローターの歪み矯正も基本的に専用工具が必要で、
その専用工具も携行には不向きなので、サイクリング中の対応は現実的ではありません。
サイクリング中に起こった場合、何とかしたい気持ちはわかりますが、手持ちの工具などで特にチェーンオイルやディグリーザーなど油分が付着すると、また別の異音の原因になります。
そのため基本的にはサイクリング中の対応は現実的ではありません。
ですが前述の通りブレーキローターの歪みは落車など明確な原因がある場合がほとんどなので、それ以前、落車や事故などがないように気を付けましょう。
異音は放置すると致命的な故障につながりかねない側面があります。
そのため異音発生時は、まずは落ち着いて原因を切り分けることが大切です。
仕組みを知っているかどうかで、不安の大きさはまったく変わります。
よくあるトラブル②パッドが閉じてホイールが入らない
続いて紹介するのが、こちらも油圧ディスクブレーキで比較的よくあるトラブルで、ブレーキパッドが閉じてしまいホイールが入らなくなる現象です。

これは主に、油圧ディスクブレーキでホイールを外した状態でブレーキレバーを握ってしまうことが原因です。
通常はブレーキローターがパッドの間に入り、レバーを握ることでパッドがローターを挟み込む位置まで動き、レバーを離すと適切なクリアランスの位置まで戻ります。
しかしホイールが付いていない状態でレバーを握ると、パッドの止まる位置のローターがないので、パッドが限界まで動き、結果ホイールが入らなくなります。

そのため輪行やパンク修理などでホイールを外す場合は、
予防策としてパッドスペーサーを入れるのが必須です。

そして万が一やってしまった場合、基本的には専用工具を使ってパッドを、工具を差し込むスペースすらない場合、ブレーキパッドを取り外してピストンをゆっくり押し戻します。
しかしこの専用工具も一般的に持ち運ぶものでもはないため、輪行後など外出先には−ドライバーやタイヤレバーで代用します。
このとき強い力でこじるとパッドやピストンを傷める可能性があるため、左右均等にゆっくり広げることがポイントです。

とはいえこれは防ぎえるトラブル。
パッドスペーサーをちゃんと使って防ぐのが最善です。
よくあるトラブル③ブレーキレバーがスカスカで効かない
油圧ディスクブレーキのトラブルとして最後に紹介するのが、「ブレーキレバーがスカスカで効かない」エア噛みの症状です。

ブレーキレバーを握っても手応えがなく、「あれ?全然効かない…」と感じる状態ですね。
もし走行中に起きたらかなり怖い症状ですが、実はこのトラブルは走行中に突然発生することはほとんどありません。
多くの場合、原因は油圧ブレーキホース内に空気が入り込んでしまうことです。いわゆる「エア噛み」と呼ばれる状態ですね。
エア噛みの発生原因&応急処置
油圧ディスクブレーキのシステムには、リザーバータンクというオイル量を調整する小さな空間があります。

この部分には構造上、少量の空気が存在しています。
普段は問題ありませんが、
- 自転車を縦置きする
- 輪行で長時間傾いた状態になる
- 飛行機輪行などで気圧が変化する
といった状況で、リザーバータンク内の空気がホース側へ移動してしまうことがあります。
この空気がホース内に入り込むことで、エア噛みが起きます。
エア噛みが起きると、レバーを握った力がブレーキを動かすのではなく、空気を圧縮する方に逃げてしまうため、
- ブレーキが効かない
- レバーの感触がスカスカになる
といった症状が出ます。
もしライド前のチェックでレバーがスカスカだった場合、まず試してほしいのがブレーキレバーを何度か繰り返し握ることです。
軽度のエア噛みであれば、レバーを何度か握ることでホース内に入り込んだ空気がリザーバータンク側へ戻り、症状が改善することがあります。
実際この方法で直るケースは少なくありません。
もしこの方法でレバーの手応えが戻れば、そのままライドしても問題ない場合がほとんどです。
応急処置でも変わらない時は無理をしない
とはいえ前述の処置で改善する場合ばかりではありません。
むしろレバーを何度握っても症状が改善しない場合は、エア噛みではない別の原因の可能性もあります。
例えば
- ブレーキオイル漏れ
- キャリパーピストンの固着
といったトラブルです。

これらは出先での根本的な解決は難しいです。
安全のため無理せずライドを中止するのが安全です。
油圧ディスクブレーキは性能が高い反面、こうしたトラブルが起きた場合は安全を最優先に判断することが大切です。
まとめ
油圧ディスクブレーキは制動力が高く、天候の影響も受けにくい優れたブレーキシステムですが、構造が複雑なぶん独特のトラブルが起こることもあります。
今回紹介したのは次の3つです。
- ブレーキローターの擦れ・異音
- ブレーキパッドが閉じてホイールが入らない
- ブレーキレバーがスカスカになるエア噛み
いずれも初めて遭遇すると「壊れた!?修理!?交換!?」と無茶苦茶焦るトラブルですが、原因を知っておくと落ち着いて対処できるケースも多いものです。
特にエア噛みのように、ブレーキレバーを数回握るだけで改善することもある症状は、知っているかどうかで安心感が大きく変わります。
また今回紹介したトラブルの多くは、
ライド前の簡単なチェックや日頃の扱い方で防げることも少なくありません。
- 走り出す前にブレーキの効きを確認する
- ホイールを外した状態でブレーキレバーを握らない
- 輪行後などはブレーキの感触をチェックする
こうした基本を意識するだけでも、トラブルのリスクは大きく減らせます。
油圧ディスクブレーキはロードバイクの性能を大きく引き上げてくれる装備です。
正しい知識を身につけて、安全で快適なライドを楽しみましょう。
このブログでは不定期にですが、ロードバイクでのロングライドを快適に楽しむノウハウやアイテムについて発信していきます!
このブログがあなたのサイクリングライフをより楽しくできますように!

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