Di2はシマノの誇る非常に完成度の高い電動コンポーネントです。
変速は正確で、ワイヤー調整も不要。正直、一度使うと機械式変速に戻れないと思っているユーザーも少なくないでしょう。
ですが電子機器、そして機械である以上、故障や不具合はゼロではありません。
事実私がサイクリング中にDi2ならではのメカトラブルに遭遇した際、

こんなのあるなら事前に言っといてよ!!
こう思ったのは今でも忘れません。
そこでこの記事では実はよくある?Di2のトラブル3選についてまとめました。
ただこうやって書くとシマノDi2をネガティブに見られるかもしれません。
しかしシマノDi2はスムーズな変速やトリム調整の自動化や、変速精度が一定で機械式のようなワイヤーの伸びなどによる変速精度の低下などもないメリットの多いシステムです。
ただ機械式と異なる構造で、Di2ならではのメカトラブルがあるため、私のように「こんなのあるなら事前に言っといてよ!」に応え、Di2を使い始めた人へ注意喚起する目的の記事です。

この記事を読んで自分もこれに遭遇した!とか
自分の場合にはこんなトラブルがあった!をコメントしてもらえると嬉しいです。
シマノの電動コンポーネント「Di2」とは?

ロードバイクの変速には「機械式」と「電動式」があり、その電動式を代表するのが、日本の誇るシマノの電動コンポーネントDi2(Digital Integrated Intelligence)です。
機械式はワイヤーを引いて変速しますが、Di2はレバー操作を電気信号に変換し、ディレイラー内蔵のモーターで変速します。
その結果、
- 軽い操作で確実に変速できる
- ワイヤーの伸びによるズレが起きない
- 長期間フィーリングが安定する
といった特徴があります。
一方で、電子制御ゆえに
- バッテリー管理が必要
- 機械式とは異なるトラブルがある
という点も理解しておく必要があります。
つまりDi2は「トラブルがなくなる」のではなく、トラブルの種類が変わるシステムです。
というわけで次章では、その“よくある誤解されやすいトラブル”を具体的に解説します。
Di2トラブル①Di2のバッテリー切れ
まず紹介するのがDi2で最も現実的に起こりやすく、そして最も「壊れた?」と誤解されやすい「バッテリー切れ」です。


私自身も、初めて経験した時には大いに焦りました。
というのもそれまで問題なく変速できていたのに、あるタイミングで突然フロントが変速しなくなったのです。
フロント側のシフトレバーを押しても無反応。
一方でリアの変速は動く。まず私の頭によぎったのは故障の二文字。

その時はバッテリー切れなんて一切疑いませんでした。
だってリア側の変速が動くんだもの。
とはいえ流石はユーザー数の多いシマノ。
なんとかならないかと検索してみたところ、バッテリー切れの原因が高いことが判明したのでした。
バッテリー低下の初期症状
詳しく調べると、どうやらDi2にはセーフティ制御があり、バッテリー残量が減ると、まず消費電力の大きいフロントディレイラー(FD)から停止します。
これは設計上の仕様でリアディレイラー(RD)を優先的に動かせるようにするためです。
そのため、
- フロントが動かない
- でもリアは変速できる
という状態は、故障ではなく“残量低下のサイン”である可能性が高いのです。
この挙動を知らないと、かなり不安になります。
Di2 バッテリーが完全に切れるとどうなるか
そしてさらにバッテリー残量が減ると、最終的にリアディレイラーも停止します。
その時点のギアで固定され、変速が基本的にできなくなります。
一応ネットの情報で、Di2のバッテリーが切れた時の対処方法を探してみると、手動でリアを一番軽いギアに変えることができるという情報が。

とはいえぶっちゃけその後どうなるか分からないので、
やるなら自己責任でどうぞ。ですね。
ただロングライドの真っ只中などで、本当にどうにもならない場合にはやらざるを得ません。
もちろんメーカーが推奨しているわけでもない方法には、故障につながるリスクがあるという点だけは覚えておく必要があります。
バッテリー切れの対処方法と予防策
そしてここが重要ですが――
ライド中にできる現実的な対処はありません。
というのもモバイルバッテリーで簡単に充電、というわけにはいかないためです。
その理由として、Di2の充電端子が独自規格であるためで、しかも付属の充電ケーブルが携行に全く向かない長さ、太さをしているためです。

一応サードパーティー製でコネクタ部分のみって製品はありますが、
口コミが少ない上にネガティブなモノが多く現実的ではありません。
というわけでバッテリー切れは「起きてから対処するトラブル」ではなく、
起こさないように管理するトラブルです。
そこで気になるのがバッテリー残量の確認方法ですが、大きく3つ。
- リアディレイラーのインジケータボタンを押す。
- スマホアプリ「E-TUBE」で連携して確認。
- サイクルコンピュータと連携して確認。

この中でも個人的にオススメなのが
サイクルコンピュータとの連携による確認です。
方法としては単純で、Di2とサイクルコンピュータを連携し、バッテリー残量を表示する場所を設定するといった具合です。
<Di2のバッテリーを表示したサイクルコンピュータ>
この方法によるメリットは、サイクルコンピュータの画面切り替えで容易に確認できる点と、1%刻みで確認できる点です。
Di2とサイクルコンピュータの連携はお互いの起動によって自動で連携されるため、その手間はリアディレイラーのインジケータと同じくらい簡単に確認できます。

また確認するタイミングも重要で、個人的には
毎回ライド後に確認するというのがオススメです。
というのも、諸元ではDi2の充電には1時間ほど時間を要します。
そのためライド前にのみ確認している場合、ライド直前にバッテリーがないということに気付くという絶望的な状況に置かれる可能性があります。
そこでライド後の確認を習慣化していれば、バッテリー残量の確認から次に走りに行くまでに時間がありますから、十分満充電が可能です。
もちろん仕事や家庭の都合で長期間乗れないなどの状況であれば、自然放電してることがあるため、充電時間するための時間を考えてライド前にチェックする必要はあります。
こうしてバッテリーの残量確認をルーチン化したことで、バッテリー切れに対する不安はほとんどなくなりました。
Di2のよくあるトラブル②充電できない
続いて紹介するのがDi2が充電できないというトラブルです。

充電しようとしたのに――
「あれ?反応しない…?」「ランプが点かない…」「これ、もしかして壊れた?」

こうなったとしたら、
正直絶望しかないでしょう。
唯一の救いはこれが走行中に起こるトラブルではないところ。
そのためこのトラブルによってサイクリング中に自走不能になったりなどはありません。
とはいえ発覚タイミングが、必然的に次のサイクリングに向けて充電しようとしたタイミングになるので、サイクリングに行く予定が狂う可能性があるなど嫌なものに変わりありませんが。
このトラブルが発生すると――
- 充電ケーブルを挿してもLEDが点灯しない
- 何度挿し直しても無反応
- USBポートを変えても反応がない
このように充電できなくなるわけですが、このトラブルの発生原因で最も多いのがやはり充電ケーブルが原因のパターンです。
具体的には折り曲げによって内部で断線したり、端子先端のピンが折れたり曲がったりといった具合です。
この場合充電ケーブルを交換する必要がありますが、万が一ケーブルが原因ではなかったら無駄にケーブルを購入することになっちゃうので、対応はショップで確認してもらってからにするのが無難です。

ただごく稀に古いファームウェアが原因で充電できないってことも報告されているので、ショップに持ち込む前に試してみましょう。
もちろん可能性としては、
- バッテリー本体の故障
- ジャンクションや内部配線の不具合
これらもゼロではありません。
ですが発生頻度としては低めです。そのためまずはケーブルに明らかな異常が見られないことを確認するとともに、ファームウェアアップデートを試して充電を試みる。
そのうえで改善しなかった場合、素直にショップへ持ち込みましょう。
Di2のよくあるトラブル③シフトレバーのバネ飛び
続いて紹介するDi2のトラブルは、「シフトレバー内部のバネ飛び」です。


個人的に納車2年で2度遭遇している何気に発生率の高いトラブルです。
バネ飛びと言うと名前からして嫌な感じしかしませんよね。
そもそもシフトレバーの内部、それもシフトチェンジしたときにボタンが「カチッ」となるときには、このバネが活躍してくれています。
バネ飛びとはこのバネがズレたり外れたりすることです。
そのためシフトチェンジの操作時にいつもの「カチッ」とボタンを押せてる感覚がなくなり、もちろんそのボタンに割り当てられたシフトチェンジ自体も機能しなくなります。

実際私の身に起こった時は2回とも左側シフトレバーで、
フロントギアのアウターギア側への変速がいきなりできなくなりました。
これこそライド中にも起こって困るトラブルで、私が実際遭遇した時には「壊れた、買い替え?」とか思うレベルで不安でした。
ちなみにこのトラブルは正直情報が少なすぎるので、一般ユーザーでは対応が難しいです。
実際に私が遭遇した時、このときはバネ飛びの存在すら知らず自力で対応しようとして、修理方法などを調べたのですがあまりに情報が少なく、断念してショップへ持ち込みました。
とはいえ根本治療は難しいものの、その後継続して走り続ける場合の最低限の対処は必要です。
具体的にはシマノのDi2について様々な設定ができるE-TUBEアプリを使います。

そこで操作ボタンと機能の割り当て機能を使い、使用頻度の低い操作ボタンを、調子の悪いボタンに割り当てたり、残りのコースに応じたギアに予め変速しておくなどができる応急処置です。
またここでDi2ならではの機能シンクロ、セミシンクロシフトを使うのもありです。

またここでDi2ならではの機能、
シンクロシフトを使うのもありです。
シンクロシフトを使用することで、リアディレイラーの変速操作のみでフロントディレイラーの変速までできます。
そのため一部のシフトレバーのバネ飛びがあっても、他の使用頻度の低い場所と入れ替えたり、シンクロシフトを使用したりと応急処置が可能なのがDi2の強みです。
もちろん、バネ飛びそのものは内部パーツの問題なので、最終的にはショップでの点検・修理が必要になります。
ですが、
・いきなり変速できなくなった
・クリック感が消えた
・特定のボタンだけ反応しない
そんな状況でも、
Di2には「設定で乗り切る」余地があります。
バネ飛びは確かに嫌なトラブルです。でも、知っていれば冷静に対処できる。
そして応急処置で走り切ることもできる。
Di2は電子コンポだからこそ、設定という“逃げ道”が用意されているのは機械式にはないメリットです。
まとめ
以上Di2のトラブルについて解説してきました。
シマノDi2という電動コンポーネントは、変速性能の高さや安定性などからミドルからハイエンドバイクで搭載されている信頼性の高いシステムです。
とはいえ精密機械、電気機器であるために全くメカトラブルがないというのはあり得ません。
そのためDi2ならではのメカトラブルを解説しましたが実際に起きるのは、
- バッテリー管理の問題
- 充電や接続の確認不足
- レバー内部の物理的な不具合
といった、原因がはっきりしているものがほとんど。
唯一固定ギアでの走行を強いられる変速が完全に使えなくなるバッテリー切れは、普段からのバッテリー管理を徹底することで防ぎ得ます。
このようにバッテリー切れ以外のDi2トラブルの多くは“突然の致命傷”ではなく、事前チェックで防げるものもあれば、応急処置で走り切れるケースもあります。
これがDi2の強みの1つとも言えます。
前述の通りどんなシステムでもメカトラブルをゼロにすることはできません。ですが、その存在を知っていれば慌てることはありません。
そして慌てなければ、ほとんどの問題は冷静に対処できます。
この記事が最近まさにDi2を使い始めた人や、Di2搭載ロードバイクの購入を検討する人の背中を押せれば嬉しく思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました!

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